DESIGN to UK - デザインと英国

ロンドン在住デザイナーのユズハシがイギリスでの就職活動、仕事について書いてるブログです。

就活事情 エンジニア VS プログラマー VS デザイナー IN ロンドン

f:id:yuzuhashiUK:20160929011827j:plain

海外就職に有利な職業や職種、スキルときいてまず一番最初に思い浮かぶものって何ですか?
多くの人はきっと「エンジニア・美容師・プログラマー・デザイナー(紙・ウェブ問わず)」あたりをあげるのではないでしょうか。
言葉の問題を技術で補えるのはもちろん、就労ビザもでやすい分野(イギリス政府が「この職業の人ほしいな~」というリストを公開しているのですがそれに入っている)でもありますが…実情は?

あいつは○○だから就活ラクだぜ~はお互いに思い込んでいる?
僕はデザイナー就職に関しては「英国系企業にデザイナー勤務したいなら就職活動は難航する可能性が高い」と思いますが、エンジニアやプログラマーに対しては「デザイナーに比べてまだやりやすいのでは…」と思っていました。
ですが最近知り合った日本人のエンジニアとプログラマーに話を聞くと「デザイナーこそ目にみえる成果で勝負出来るのだからまだマシだと思ってたんだけど」とのこと。
こういう話をきくと「技術職者は割とラクに就職できる」というのも技術職以外の方々がそう思ってブログやSNSで書いたのが広がったのではと思います。隣の芝生はなんとやら、っていう現象ですね。

そこで友人の2人のエンジニアと1人のプログラマー(全員日本人)に今はイギリスで社会人やってるけど「就活自体はどうだった?」と聞いてみたのでまとめます。
(掲載許可はとっております!)


闘う相手はまさに世界!システムエンジニア
藤岡さん(仮名)は目の付け所が鋭い企業に日本でエンジニアとして勤めていた方です。日本での苛酷の労働環境に耐え切れず思い切ってイギリスへ。
渡英当初の藤岡さんは「俺は目の付け所が鋭いあの企業のエンジニアだったんだ、世界的にも有名な会社だし就職だって引く手あまただろう!」と楽観ししていたとか。
(余談ですが、僕もそうだったし技術職者で世界規模の会社に勤めてた人間は結構同じように思って現実に打ちのめされてる気がします。日本企業を過剰評価してるのは日本人だけだったみたいな…辛いw)

しかし就職活動を始めると痛感したのは世界中のエリートが集まるロンドンでエンジニアとして仕事を得る難しさだったそうです。
まずCVを送っても返信が返ってこない、返ってきてもお祈りメール、段々とヤバイと思うようになってきた頃初めての面接に呼ばれたそうです。
意気揚々と面接に挑んだ藤岡さん。グループ面接で日本人は彼ひとり、国籍はみんなばらばらだったようです。英語に不安はあったものの自分の経歴に自信があった藤岡さんはハキハキと自己紹介をしました。
しかし他の3人の経歴は一人は元アップル、もう一人も割と有名な企業だったとか。
そして3人目が極めつけで、元NASAのエンジニア(NASAはアメリカ国籍じゃないと勤務できないと聞いたことがあるので、この人はアメリカ人だったのでしょうか)すごい面子です…僕がその場にいたら失神する自信があるw

企業側も「おお、NASA?!」と興味津々で、藤岡さんはその後の面接の記憶がほぼないそうですw他の二人も「うわ、凄いのきちゃったよ…」という空気だったとか。
藤岡さんは自分の驕りに気付いたのと同時に、日本の厳しい就職活動をへてエンジニアとして頑張ってきたのに…と自信喪失し帰路についたそうです。

「人と比べるな」とか「他人は他人!」と頭でわかっていても、面接という場で他に優れた人がいたらそれはやっぱり気負いします。なぜなら、同じ業界にいるぶん彼らがその企業へ入るためにどれだけ努力したかわかるからです。

「でも今普通にエンジニアやってるってことは結果的に就活はうまくいったんだね」と僕がいうと「この話にはまだ続きがあって…」とニヤニヤしだす藤岡さん。

帰りのバス停で先ほど面接で一緒になった元アップルのエンジニアに声をかけられたそうです。話は面接のことや当たり障りない話をしながら、アップル氏はおもむろに名刺を取り出し「僕の友人の会社がシステムエンジニア探してて、さっきの面接の君の話きいてぴったりだと思ったんだ。今回の面接の合否が出る前で悪いけど一度ここに連絡してくれない?どうせ今日の面接はミスターNASAの一人勝ちだし悪い話じゃないだろw」と。
「なんでアップル君自体がその仕事にアプライしないのか?(ブラック企業?詐欺?とかなり怪しんだらしいw)」ときくと「僕はデザインエンジニアだから相手にされないんだよね、彼らが欲しいのはシステムエンジニアなんだよ」とのこと。うーん、このお鉢を人に渡していく余裕、かっこいいですね。

藤岡さんは翌日、記載されたメールアドレスに「アップル氏に紹介されたこと、仕事を探していること、自分の経歴」をまとめて送ったそうです。
するとすぐ電話がかかってきて「明日面接できる?」ときかれそのまま面接へいったのですが、面接とは名ばかりでほぼ会社案内といつから働けるかなどの確認だったそうです。
そして今でも彼はその企業で働いており、アップル氏とは今ではすっかり友達になってよく飲み歩いてるそうです。これ非常に外国的ですよね、面接であった人ってライバルってイメージが強いのにその人に仕事を紹介するとは…。

イギリスだけじゃなく欧米でビジネスの場面では「大事なのは何を知っているかじゃない、誰を知っているかだ」とよく言われます。コネクション社会といわれるのが垣間見れる話でした。

しかし藤岡さんは強運の持ち主だ、と思うけど、面接で彼がしっかり自分がやってきたことを話しアップル氏に「この人なら紹介しても大丈夫だ」と思わせる事をしっかり積んできた証ですね。運があったとしてもそれ以前に彼がエンジニアとして頑張ってきたからこその結果だったんでしょう。


事務員、専業主婦から独学でプログラマーへ!
プログラマーって気難しい人が多くないですか?そう思うのは僕が日本で勤めてた会社のプログラマー達がクセのある人が多かったからなのでしょうか。
吉村さん(仮名)は30代女性プログラマー。男性が多い世界でバリバリ仕事をする彼女は社交的でよく笑う頼りになるお姉さんという感じです。

イギリス人と結婚しこちらに移住されてきました。それまでプログラミングには全く触れたことなく日本では10年近く事務員として保険会社で働いていたそうです。
移住直後、専業主婦をしていたけど家に一人でいる時間が長い上友達もいない環境で精神的にすこししんどくなってきた頃、「何か新しいことを学びそれを仕事にしたい」と漠然と考えていたそうです。そんなある日ネットで読んだプログラマー転職に感化され独学でプログラミングを勉強しだしたそうです。

半年後、プログラマーになりたい!と思い就職活動を開始しましたが実務経験がない分CVをだしても返信はまったくこず、送ったメールの数は700通を超え、就職するまで1年半かかったとのことです。

段々諦めモードになりつつも惰性でメールを送り続ける日々。
そんなある日「面接にきてもらえませんか?」とメールが!このチャンスを逃したらもうない、と早速面接へ向かった吉村さん。
その会社はスタートアップ会社で、吉村さんは実務経験のなさ(ウィークポイント)に触れないようにしつつ、独学で勉強してきたこと、情熱、向上心などをアピール。プログラミングもだけど人となりを売り込んだそうです。
その面接から3週間後(イギリスは3週間~2ヶ月結果待ちなんて当たり前!)見事採用通知がきました。これはプログラマー技術はもちろんですが、吉村さんの人となりとスタートアップ会社というのがうまくマッチしたのでしょう。

1年半に及ぶ就職活動、そのモチベーションは?と聞くと「私の場合は移住でいつか日本へ帰る立場じゃない。5年は踏ん張り期間だと思って辛くても耐えた、その期間が残りの人生をイギリスで送る覚悟と土台になると信じていたから」と話す吉村さんですが、就活中は返信もこないメール、なれるかわからないのにプログラミングの勉強と何度もゴールを見失いかけたそうです。
僕も就職まで半年ほどかかりましたが、半年でもかなり精神力が削られたので、初めての分野で就職活動していた吉村さんの苦労は相当なものだったのでしょう。

イギリスにきて、自分になにかスキルさえあれば…と思う人は多いかもしれません。
スキルがないなら持てるよう勉強するキッカケにするのもありですね。時間との制約があるビザはなかなか難しいかもですが、始めるのに遅すぎるということは決してないんだなとおもいます。


英語は話せないけどニッチな技術で就職 メディカルエンジニア
戸川くん(仮名)と僕は同い年で、関西人なので鋭いツッコミを連発する彼は医療関係専門のエンジニアです。英語だとメディカルエンジニアというんですね。
割とニッチなエンジニア職らしく戸川くんから「医療関係のエンジニアだと思ってくれたらそれで大体あってるから」と言われたので便宜上そう書きます。
彼の就活は割りと変化球型で会社からオファーがきたのに蹴ったり、一週間で辞めようとしたり…でも今でもその会社で働いてる理由とは?

彼は日本でエンジニアをしているときに過労で心身のバランスを崩してしまい退職、1年間の療養期間(本人曰くひきこもり期間)をへてワーキングホリデービザ当選を機に渡英しました。
英語もままならず、3ヶ月の語学学校に通いながら日本食レストランでアルバイトを始めた戸川くん。まかないは美味しいし自分の時間はあるし、エンジニア時代に稼いだお金もあるしでスローライフを楽しんでいました。

そんな彼に転機が訪れたのは知り合いのハウスパーティー。
そのときに「元々日本でメディカルエンジニアをしていた」という話をし自分が関わった医療器具の写真を見せていたそうです。
そこにいたイギリス人の一人がいきなり「連絡先を教えてほしい!」と言い出し、何も考えずに渡すと翌日そのイギリス人から「お話だけでもできないか、日本の技術者が欲しい」と熱烈なジョブオファーがきたそうです。

これ普通に渡英したての日本人なら「やったー!ラッキー!やります!」ってなると思いませんか?ところが、戸川くんは「もうエンジニアにもどるつもりはない」とこれにノーを出したのです。日本で自分自身が壊れるまで働いたことがトラウマになっていたそうです。
あっちからジョブオファーをしてくれるなんてどれだけ恵まれた状況なんだ!と思うけど、戸川くんは当時エンジニアにもどる=また無茶苦茶な働き方をして体を壊すというイメージしかなかったそうです。

そこで事情を察してひくのが日本人ですが、事情を知ってても押してくるのがイギリス人ですwそこから毎日メールがきて(電話が「英語が理解できない」と言って切ったらしいw強いw)「労働時間は君の希望通りでいい、残業はもともとうちの会社は無い」「お給料は言い値で払う!」と言い出し、いい加減うざくなり直接あってキッチリ断ろう…と戸川くんついに重い腰をあげたそうです。

余談ですがカフェで会ったとき、そのイギリス人に「君の今日のシャツ、決まってるね!」と一番最初に言われたといい「どんなけ媚売り下手やねん、京都で500円で買ったへんなシャツやぞ」と笑っていましたw

カフェで会社のパンフレットや契約書をみせながら必死に説明してくるイギリス人。
だがしかし、戸川くん彼の言ってることが4割くらいしかわからなかったそうです、英語が出来なさすぎて。当時の彼はTOEIC400点位だったそうです。
そして「自分は英語が本当にできない、技術はあっても社員同士意思疎通ができないと仕事なんか出来ない」というとイギリス人は「英語なんか関係ない、君の技術と知識は語学の壁を越えられる!」といいそして、「メディカルエンジニアは本当に数が少ない、パーティーで知り合えたのも縁だよ、君がもし会社が嫌になったらいつ辞めていいから」と懇願され、翌週から働き出した戸川くん。

英語が全然わからず同僚や上司のスモールトークも「?」という状態で最初の1週間目で一度「辞めます」と言いにいったそうですが、上司から「半年頑張ってみよう!半年たって君がダメだと思うならもう何も言わないよ!」と引き止められしぶしぶ会社に残ったそうです。

1ヶ月たったころ、相変わらず英語はわからないままだったそうですがエンジニアの世界(これはデザイナーやプログラマーにも共通していえると思うが)って元々専門用語が英語のままなので、単語で意思疎通ができるようになってきたのと、技術職だから手を動かすことで周りと意思疎通ができなくても何となく分かり合えるようになってきたそうです。

そうなると楽しくなってきて、あれだけ「辞める」といってたのが今ではチーフエンジニアをやってるそうです。日本のエンジニア時代と違いしっかり休暇がとれる環境で、余裕をもって仕事ができたのも大きかったのかもしれませんが、彼と会うといつも楽しそうで過去に心身を壊したことなど嘘のように見えます。
そしてワーキングホリデービザは二年の期限付きなのですが、会社が早々に就労ビザをサポートし今でもイギリスで頑張っています。
ちなみに英語力はマシになったとはいえ(「多分いまTOEIC600点くらいや!知らんけど!」と言ってたました)、僕からみても「よく働けてるね!?しかもチーフレベル!?」と思うレベルの戸川くん。技術は言語を超えるとはまさに彼のことなのかもしれません…。

ところで戸川くんを会社に引き込んだイギリス人はHRではなく営業職の方だったそうです。(会社自体はテクノロジー系で医療関係開発はその一部だそうです)
頑として断り続けた戸川くんに負けずにアプローチしまくり見事入社させるとは、営業職の押しの強さって凄いなあとこちらも感心しました。


…このように、三者三様それぞれの就職活動事情でした。
さて、デザイナーはといえばやはり英系企業就職に拘ったのもあって半年はかかるしこのブログを読んでるとわかると思いますが、何回もわりと小さいことで挫折を感じていました。
自分ってこんなに精神力なかったんだ…とビックリするくらいへこむことも多かったです。僕の就活事情(メールが帰ってこなくてへこむ、面接で落とされる、面接後連絡がない…などなどをへて無事就職)もおいおい記事で詳しく書いていきます。

就活は努力とモチベーションはもちろん、タイミングや運も大きく関わってきます。
もしちょっと疲れたな、弱気になっちゃってるな、って感じたら1日くらい公園へいってコーヒー飲みながら昼寝したり、買い物にいったり、お酒を飲むのだってありです。
うまくメリハリをつけながらやっていきましょう。

 

f:id:yuzuhashiUK:20160531093152g:plain
- Design to UK -
Thank you for reading this to the end!

にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外就職へ にほんブログ村 海外生活ブログへ