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DESIGN to UK - デザインと英国

ロンドン在住デザイナーのユズハシがイギリスでの就職活動、仕事について書いてるブログです。

【日記】日本で勤めていた企業が僕にくれたもの

大学を卒業してすぐイギリスへ越すことも考えたが、僕は日本で3年間は就労することを選んだ。大学卒業当時の僕は今よりもっと自惚れたバカだったけど、海外でやっていくのに自分の経験もスキルも全く足りてないという自覚はあった。

その後東京のグラフィック会社に入社したが半年で辞め、映像制作会社へ転職した。新卒で入った会社に特別不満があったわけではないが、自分のスキル内で出来てしまう、自分が出来ることしかやってない毎日に段々と不安を感じたからだ。
たった半年で会社を辞めることに周りも驚いていたし心配もしていた。しかし転職するよりもその会社にずっといることの方が不安だった。

 僕は映像制作会社のグラフィック制作部署へ転職した。新しい会社は死ぬほど忙しかったが毎日学び、失敗し、自分でも日々成長できている事を感じられる職場だった。

入社して3ヶ月ほど経ったころ、先輩の一人に違う部署のプロジェクトを手伝わないかと声をかけられた。映像技術開発のプロジェクトだった。
「エンジニアでもないし、プログラミングも出来ない、開発経験がないので役に立てるかわからない」と返したが、翌日から仕事の合間にそのプロジェクトを手伝うことになった。プロジェクトチームの母体はエンジニアとプログラマー達で、それに僕のような他部署の人間がちらほら混じっていた。

自分の仕事も必死だったがプロジェクトはもっと大変だった。自分の知らないことでも次々仕事が回されグーグルと参考書を駆使し必死にやった。よく失敗もするし、全然理解できなくて人に聞きまくったり情けないことも多々あった。
僕は全然わからないプログラミングをとりあえず書いてみてエラーを発生させ、設計図も書いたことすらなかったけど見よう見まねで描いてその出来のあまりのひどさに先輩を怒らせるどころか泣かせてしまった。
プロジェクト内でもひよっこだったけど、プロジェクト内で能動的にうごき自分の意見を持ちそれをアウトプットするように心がけていた。時々見当違いなことをいって皆に爆笑されたりもしたが恥ずかしいという気持ちよりもっと学ばなければ、力不足すぎるという気持ちのほうが強かった。日々勉強だった。
しんどい事もかなり多かったがその映像技術開発が成功すれば色々なジャンルの表現幅が広がるのは目にみえていた。それが楽しみだった。

実はこの開発は会社に許可をとっていなかった。エンジニア達が企画書をみせても上層部は「作ろう」とは言ってくれない。それにしびれをきらした彼らは勝手に作り始めたのだ。完成し、会社へ報告したとき彼らはめちゃくちゃ怒られたらしいが、出来たものは出来たので会社はそれを市場へ登場させた。

その映像技術は日本よりも海外で高く評価された。
僕の勤めていた会社は違うジャンルでは海外規模で有名だったが、その技術発表によりその名は一層広く知れ渡った。会社はあれだけ怒鳴りつけたエンジニア達を褒め、エンジニアは会社の見事な手のひら返しに呆れ顔だった。

僕がイギリスへ行くと決め会社へ辞表をだし引継ぎのために毎日走り回ってた時に、そのプロジェクトの主要エンジニアに「君はあのプロジェクト相当しんどかったと思うけど、でもあれに携わった経験と経歴は海外で君を絶対に助けてくれるからね、頑張るんだよ」と言われた。僕は「そうだと良いですけどね~」と笑って聞き流したんだけど、「あの映像技術とそれに携わった人間」ということは大いに就活で役に立った。
残念ながら就職へ結びつかなかった会社も「僕を面接に呼んだ理由はコレ」とその映像開発プロジェクトを名指しすることが多かった。

海外就職したいという相談に「イギリスで就きたい職業と同業種の仕事に日本で就くこと」を提案することが多い。
会社ではやりたくない事もしなきゃいけないが、自分が思いつかないことをやらせてくれる機会だって転がってる可能性がある。それらはやってる時はわからなくても後々になって「自分」というものの一部になり、また社会はそれを評価のうちに入れることがある。

ワーホリなど2年の時間制限があるビザは特にだけど、急いでイギリスにきても自分が戦っていけるだけのものがないとウダウダしているうちに帰国、という事になりえる。イギリスで技術を学び、就職するのはよほどの覚悟と精神力がいると考えたほうがいい。「海外に働く」と一言でいっても、自分の目標やビジョンをしっかりもっていないと、この国は体たらくになる誘惑がとても多い。
会社に入るのか、フリーランスでやっていくのか、など形態は関係なく「なりたい自分」をつねに意識しないと堕落しそうになる罠はたくさんある。

国が変わると自分のバランスをとるのが難しくなる。妙にハイになってしまったり、ちょっとのことで悲観的になってしまう。そのときに芯として残る信念の強さはこの国で生きていくための強さと言える。
他人を無責任に肯定できても、自分自身を根拠なく肯定するのは難しい。その根拠を日本で築き上げて海外へ挑戦すること、それが海外で自分を見失わず生きていく方法のひとつだと思う。

そして一時帰国したときに勤めていた会社にお邪魔した。
ロビーには会社案内のパンフレットがおいてありペラペラめくるとあの映像技術は会社が前面サポートの元、会社ご自慢のエンジニア達が作り上げた!!と謳われていたw
嘘つくなよ~!

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- Design to UK -
Thank you for reading this to the end!

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