DESIGN to UK - デザインと英国

ロンドン在住デザイナーのユズハシがイギリスでの就職活動、仕事について書いてるブログです。

映画「プラダを着た悪魔」にみる欧米人のキャリアアップ術

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画像出典:洋画評論家daibond


「プラダを着た悪魔」という映画、知っていますか。
■ざっくりあらすじ
ファッションセンスゼロのガリ勉アンディは、ジャーナリストになるためにニューヨークへ。自分の全く未経験のファッションデザイン雑誌「ランウェイ」へ面採用されるも鬼上司ミランダとそれを取り巻くランウェイ関係者やデザイナーに振り回され自分の夢と現実の間で葛藤する様子を描いた映画です。

僕が大学生のときに公開されたこの映画、当時働く女性たちから共感を呼び大ヒット。ゼミが一緒だった子が「これは社会にでるまえに見ておくべきだよ!」と言われ借りて観ました。当時の僕にはあまりピンと来なかったのですが、フラットの共有リビングにこのDVDが置いてあり約数年ぶりに見ました。
そこで数年前にみたときは気付かなかったけど、この映画はアメリカ人および欧米人のキャリアアップ術に関することが結構観える映画です。

欧米流キャリアアップのやり方
ミランダおよびランウェイにうんざりしながら恋人のネイトと同棲しているアパートに帰ってきたアンディ。散々会社の悪口をわめいて、夕食のチーズトーストを作りながらネイトも困り顔。そのときのアンディの台詞。

アンディ: 「だけど、一年はあそこで我慢する。一年よ。そしたら望みの仕事につける。けどミランダには負けない、絶対に」
ネイト: 「まあ、ほどほどにな」


この台詞は映画の最初のほうで第一アシスタントのエミリーのこの台詞にかかります。

エミリー:「ミランダはランウェイの編集長よ。伝説的存在!彼女のもとで一年働けばどこの出版社でも通用する、誰もが憧れる仕事よ」


アンディはかなりキツイランウェイの仕事でも1年続けて履歴書に書けるようになればそれが転職活動に役立つことを視野にいれています。
これはアメリカが舞台の映画ですが、イギリスもここは一緒。みんな最初から自分がやりたい理想の仕事に就くのを考えているのではなく、一年か二年勤めてその先へのキャリアを目指します。
日本では何年もおなじ会社にいるのが普通ですが、海外では2年か遅くとも4年ほどで仕事を変えキャリアアップ(これが指す言葉は、会社名、役職、仕事内容、お給料額、など)をしていきます。とても流動的です。

これの良さは会社の上層部の人間も定期的に動くことです。なので外からきた人間によって新しいアイデアややり方が提案され、会社の風通しがとてもいいです。

転職はマイナスではなくプラスに見られる社会
「プロパティラダー(小さい不動産から始まり最終的に大きい不動産を手に入れていく事)」という考え方も根付いているイギリス。最初から大手へいくのではなく色々な社会経験と会社を通じながら「自分が何をしたいか、次はどこへ行こうか」を考えながら仕事をしているんです。
LinkedInのプロフィールなどをみても思いますが、欧米人の経歴は本当に転職回数がすごいです。中小企業→大手企業、という流れももちろんありますが、大手企業→中小企業→起業という経歴も珍しくありません。

もし今就職活動をしている方、これは日本でもイギリスでもどこでもですが「一生の会社」を探すと背負い込むと本当にしんどくなってしまいます。
その会社への就活を失敗したらやはり落ち込みますし、その会社に受かっても内部が最悪!っていう場合もあります。でもステップアップの一社だとしたら多少辛くても柔軟に考えられる(吸収できるだけ吸収したら転職だ!みたいに)し、就職できなかった場合でも「もう少しスキルや経歴を磨いて何年後かにもう一回アプライしてみよう!」と思えます。
考え方の違いで就職活動や仕事に関してもっとリラックスして出来るようになると思います。

あとイギリスでは就職できなかった会社に何年後かにアプライするケース多いようです。
僕的に「一回落ちた会社受けるのちょっと恥ずかしいな~、あっちもまたコイツかよーってなるかもだし」と思ってたんですが、イギリス人に言わせたら「まず人事自体が入れ替わってる可能性もあるし、同じ人でも志願者の一人を覚えてたりはしない、面接までいったなら覚えてる可能性もあるが何回かアプライしてくる人なんてザラにいるから別にそんなことは気にしなくていい!」だそうですw
こういうことを聞くと僕は自意識過剰な人間なんだなあと実感します…w

面接シーンでみる企業研究の大切さ

さて場面はすこし巻き戻りますが、面接のシーンも面白いです。

履歴書を送りまくって連絡のきたファッション雑誌の面接にきました。緊張した面持ちでミランダの部屋へ入るアンディ。以下が面接中の会話。


ミランダ:「なぜうちにきたの?」
アンディ:「それはアシスタントとして役立てると思ったから。それにジャーナリスト志望でニューヨークにでてきて、あちこちに手紙を送ったらやっとこのイライアス=クラーク出版から連絡がきて、人事部のシェリーとあったら“ここから車雑誌か”と言われたので。」
ミランダ:「じゃあランウェイは読んでない?」
アンディ:「あ…はい…」
ミランダ:「私の名前も聞いたことない、でしょ?」
アンディ:「……はい…」
ミランダ:「それにファッションのセンスも全くないようね」
アンディ:「それは…考え方次第だと思いますが…」
ミランダ:「今のは、質問じゃあない」
アンディ:「あ…私、大学新聞の編集長でした。あーそれにあの学生ジャーナリズム大賞も受賞しました。用務員組合に関する連載記事が評価され…」
ミランダ:「以上よ」
アンディ:顔をしかめて立ち去ろうとするが、戻ってきてミランダに「いや、あの、確かに私はここに不向きです。体は細くないですし、魅力もありません。ファッションの知識もありませんが、頭はいいです。物覚えも速いし絶対…」
ここでランウェイの編集者が入室し面接終了。

自分で頭は良いって言い切っちゃうのか!と日本人的にはちょっと驚く場面ですが、これくらい押しの強さというか自分をアピールするのは海外の面接では決して珍しくありません。ここでミランダの表情がすこし変わります、アンディに興味を示したんですね。
このことから今までの志願者は「ファッション大好き、ランウェイ信者、情熱だけはあります」系がほとんどだったことが予測でき、アンディは今までの人たちとは違い高い知能をアピールしました。
こういう違うアングルから自分をアピールするのは強いです、他の志願者と線引きができるので。会社は何人もの志願者を面接するので、インパクトやユニークさは「覚えてもらえる」という強みです。
自分の経歴だけでなく趣味などからちょっと珍しいことや、日本では普通のことでもイギリスでは珍しいこともあるので一度自分のアピールポイントを考えてみるのもありです。

そして僕的に「それはダメだろー!」と思ったのはアンディがランウェイを読んだことがない、という事。ラインウェイの定期購読者でなくても、面接が決まったらその出版社がだしている雑誌1冊くらいは買って一通り読んだほうがいいと思います。興味がなくても、です。
「私はこの会社のこと全く何も知らないし作ってる物も知りませんが就職したいです!」というのは相手にとってかなりマイナスにうつります。
別に定期購読者とかへヴィユーザーだと嘘をつく必要はありません。ただ「初めて購入したのですが●●特集それにならぶ紙面デザインが…」など具体的に好きになった部分、また企業研究をしたアピールになります。
もちろん不採用になったら無駄な出費になりますが、その会社がパブリッシュした雑誌、製品、アプリ、映像など会社を知れる物であり、会社と自分がもつ唯一の共通認識になり得るのです。
あとベンチャー企業に多いのは会社のPR映像などをウェブや動画サイトにおいているところも多いので、それをみて会社の目標や考えを知るのも大事です。

僕の友人は「就活前にみとけ」といっていましたが、僕はこれ社会人になってから見たほうが「ああ~これは辛い…」と共感できる部分が多かった気がします。学生時代は「ミランダこええ…」以外の感想なかったなw


アンディの服装
というわけで、イギリスで就活、就職した僕からみた「プラダを着た悪魔」の印象的なシーンの話でした。ところで僕はファッションにあまり詳しい人間ではないですがアンディのファッションってそんなにひどいんでしょうか?w
ファッション雑誌で働くにしたらスタイリッシュとはいえないにしても、普通に可愛いと思ったんだけど…それともアン・ハサウェイだから何でも似合うように見えるのかな?

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Thank you for reading this to the end!

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